「母の傘寿を記念する親子3代、カナダの旅」

 今年元気に80を迎えた母は大の旅行好き。10年前に両膝、股関節を人工関節にする大手術を受けながらも毎年数回の国内外の旅行を続けている。今回は母、姉、姪、私の4人で向かうは父と母の思い出のナイアガラ、そして私の永年の憧れであるメープル街道。最後まで交通手段をどうするか迷ったあげくに応募したレンタカー無料体験が見事当選!これまでくじというくじ、一度も当たったことがない私。これはいったいどうしたことか!!早速カナダの地図を購入し、姪と綿密な計画を立てる。カナダでの運転を楽しみにしていた姪であったが、25歳以下は運転できないとのことで断念。自信なさげな姉が一応、保険のつもりでとしぶしぶ追加ドライバーとして登録。さてさて今回の旅、いかに・・。

9月18日 
17:00 AC2便にて成田出発。台風接近のため気流の悪い状態が続いたが無事、定刻にトロント到着。晴れ、20度。矢印に従って迷うことなくAVISの営業所に到着。結構な人が並んでおり、一人ひとりの手続きも思いのほか長い。手続きが終わるのを待っていよいよ出発!

初めての左ハンドルだったが運転してみると結構いけそう!ちょっと安心。さっそくハイウェーに出る。金曜の夕方のせいかかなりの渋滞。でも初めての運転にはちょうど良い速度。ところがどの車線が主線道路なのか、カナダのルールがよく飲み込めないうちに100キロを超す車の流れに突入!!気づいた時には早くもルート脱落・・。3度道を尋ね、やっとルート復活。途中、数度の渋滞を経、オンタリオ湖の落日を見ながら無事ナイアガラ到着、ヤッター!!助手席のナビ役&写真撮影係りの姪もグッタリ。

 ライトアップされた滝に花火、12℃のナイアガラを夜の散歩。すると突然飛び出てきたものが・・、なんと狸の親子!?「生タヌは初めて!!」姪は大喜び。これは我々を歓迎してくれたのか、明日からがさらに楽しみ。

9月19日 ナイアガラ 晴れ
 長旅の疲れもなんのその、早々にホテルを出発。朝のナイアガラを歩く。真っ青な空、雄大な滝。カナダ滝の水煙が高々と昇る。テーブル・ロックに向かうがまるで台風の中を歩いているよう。振り向くと二重の虹が!すぐそこに見えるのに、やはり虹をつかむことはできない・・。両親とここを訪れたのはもう20年も前のこと。偶然にも20年前のアルバムにも同じような写真があった。あの時の両親の年に近づきつつある姉と私・・。父の笑顔を思い出しながら花いっぱいの公園を歩く。

 今日は絶好のドライブ日和。左ハンドルにもだいぶ慣れ、ドキドキものだった左折もスムーズに。昨日とは打って変わり、余裕しゃくしゃくナイアガラ・パークウェイをオン・ザ・レイクの街に向かう。

 オン・ザ・レイクの街は大渋滞。やっと駐車場を見つけて(一時間2.5ドル)街に出る。ビクトリア朝の街並みを飾る美しい花々。何と今日はお祭りらしい。延々と続く行列とそれを楽しむ街の人たち。


 ワイナリーが100件を超すというというワインルートにはこんな標識も。

ワイナリーに寄って道を確認しながら快適にトロントへの道を走る。(試飲できないのが残念!!)車線が多いカナダのハイウェー、右左へと車線変更も自在に。信号の見方も要注意!

矢印に従って行くとスムーズに車の返却所に到着。バーコードをチェックして簡単に手続き終了。お世話になりました。

9月20日 晴れ 
トロントから1時間半のフライトでケッベク到着。上空からすでに紅葉の山々が見える。いよいよメープル街道のドライブ開始!今度の車は新車の匂いがプンプンする7人乗りの大型のジープ、乗り心地満点。ナンバープレートにはケベック州独特の「私は忘れない」の文字も。逸る気持ちを抑えつつサンルーフを開け、カナダの風を感じながら出発。

ケベックは旧市街に入ると狭い道が続くが無事ホテルにチェックイン。さっそく市内を散策。

のどかな風景が広がるオルレアン島。

車窓から見たモンモランシーの滝とセントロレンス川にかかるオルレアン島への橋。

 ケベックの街を夕日が照らす。

9月21日 晴れ
 ケベックから100キロほど北上したリゾートエリア、シャルルヴォアに向かう。セントロレンス川沿いに車を走らせる。どこまでもまっすぐに続く道。ジェットコースターに乗っているかのようなアップダウンが続くがこの車ならどんな道もスイスイ。残念ながらいたるところに交通事故死した動物たちが・・。

今日は洗濯日和なのかあちこちでこんな家が。美しい風景の中で見ると洗濯物も芸術的。

行く先々で見かけたこんな標識。そしてついに、目の前を「クマ」が横断!!カメラを構えたが向こうもあわてて山に逃げ込む。

本格的な紅葉には少し早かったがそれでも十分美しい山々と、川とは思えぬほど雄大なセントロレンス川の風景に大満足。気に入った風景では車を止め、時間を気にせず気の向くままに車を走らせる。何と贅沢な時間だろう。レンタカー、万歳!!

  ケベックに戻る途中、北米カトリックの三大巡礼地のひとつ「サンタンヌ・ド・ボープレ大聖堂」に立ち寄る。200枚ものステンドグラスは見事としか言いようがない。奇跡を信じて今なお多くの人たちが巡礼を続けていた。

夕方というのにまだまだ強い日差し。ケベックの街を目に焼き付け、駆け足の旅を締めくくる。

 4日間の走行距離約800km。レンタカーのおかげで行動範囲は大きく広がった。また途中、道を尋ねた人たちはみな優しく、ノロノロ運転の私を急かせたり、無理な追い越しをする車はなかった。歩いていても横断歩道がないところで道を横切ろうとすると、車はすぐに止まってくれる。20秒しかない歩行者用信号、渡りきることができない母に対しても当たり前のように笑顔で待っていてくれる。なんて素敵な国だろう。なんてやさしい笑顔だろう。
カナダは今年雨続きでやっと数日前から晴れたとか。現地の天気予報では明日からまたしばらく雨が続くらしい。帰国の日、ホテルを出る前に窓の外に大きな虹を見た。
元気な母と立派に成人し学究の道を歩む姪、いつも夢と憧れを語り合った姉、皆でこうして旅できるしあわせ。レンタカーの当選に始まったこの旅行。この天気もこの美しい風景も、何もかもが神様の下さった贈り物のように思えてならない。